富山で人前式・家族婚を叶える|人生の節目に寄り添い「お祝いの力」を届ける

富山県上市町で、人前式・家族婚・少人数結婚式をはじめ、七五三や成人式など人生の節目を彩るお祝いをプロデュースしている高野由紀子さん。

高野さんが届けているのは、単なる結婚式ではありません。

花嫁姿を家族への最高の贈り物として
一組一組、家族の色に合わせ
一人ひとりの人生に寄り添う”諦めない結婚式”を届けています。

しかし、この仕事を始めるまでの道のりは、決して順風満帆ではありませんでした。
周囲からの猛反対、見知らぬ土地でのゼロからの起業、そして心ない言葉を浴びせられた日。

それでも歩みを止めなかったのは、「諦めている人に、喜びの涙を届けたい」という、揺るぎない想いがあったからです。

人生の中で、心から「やってよかった」と思える仕事に出会える人は、どれくらいいるのでしょうか。

損得ではなく、誰かの笑顔のために働くこと。
働き方や生き方に迷う私たちに、本来の自分へ立ち返るヒントを教えてくださった、高野さんの物語をお届けします。

目次

結婚式を諦めないと決めたきっかけ。娘の結婚式で知った「母親としての卒業式」

高野さんが現在のお仕事を始める一番のきっかけとなったのは、コロナ禍の初期に迎えた、看護師である娘さんの結婚式でした。

当時の医療現場は混乱の極みにあり、娘さんは病院から
「結婚式を中止するか、延期するか、それとも退職するか」
という厳しい選択を迫られます。

悩み抜いた末、娘さんが選んだのは「1年延期」という道でした。
その後、初めて防護服を着る前夜、娘さんから一本の電話がかかってきます。

「今まで育ててくれてありがとう。これが最後の電話になるかもしれないから一言お礼を言わせて。」

「その時、もっと早く花嫁姿を見たかったな、と心から思いました。」

そして一年後、ようやく迎えた結婚式当日。
高野さんは娘さんの唇に紅を差し、そっと打掛を掛けました。

その瞬間、

「これは母親としての卒業式なんだ。こんなにも幸せで、こんなにも尊い時間がある。」

と、胸の奥から自然と涙が込み上げたと言います。

そう実感した一方で、高野さんの頭には、別の想いも浮かんでいました。

世の中には、経済的な事情やさまざまな理由から、結婚式を諦めている人がたくさんいる。
その人たちにも、この喜びを届けたい。
母親として味わったこの幸せを、誰かにも感じてもらいたい。

その純粋な想いだけを胸に、高野さんは、お祝い事をプロデュースする事業を立ち上げる決意をしました。

富山での起業。挫折の先にあった運命のご縁

石川県から富山県へ移住し、空き家だった実家を改装して始めた結婚式場。
しかし、県外から移住してゼロから事業を始めることは、想像以上に険しい道のりでした。
最初に相談した窓口では、思いがけず厳しい言葉を掛けられ、大きなショックを受けたそうです。

「ここでは無理なのかもしれない。」

そう感じながらも諦めることはできず、今度は富山県へ相談。
そこで紹介されたのが「富山県よろず支援拠点」でした。

そこで出会ったブライダル業界出身の先生とのご縁が、高野さんの人生を大きく変えていきます。

経営相談、チラシ制作、SNS,ホームページ制作、税務相談…。
あらゆる面で支えていただき、ビジネスアイデアコンテストでは優秀賞も受賞。

さらに、よろず支援拠点で出会った移住者ご夫婦から、

「今から結婚するのでお願いしたい。」

と、最初の結婚式の依頼まで舞い込みました。

高野さんは穏やかな表情で、こう話してくださいました。

「少し辛い出来事も、すべては必要なご縁につながるためのものだったのだと、今は心から感謝しています。」

遠回りに思えた出来事が、今では人生の宝物になったと語ってくださいました。

「神様の手足として働く」毎朝の祈りが、自分を整える時間

近年では、費用や価値観の変化などを理由に、従来の披露宴を行わないカップルも増えています。
ウェディングに関する調査でも、費用の問題などで従来の披露宴を行わない選択をするカップルは、全体の約6割にものぼると言われています。

高野さんは、そうした「自分には縁がない」「自分には結婚式は無理」と諦めてしまった人たちの心を、少しでも軽くしたいと話します。

衣装、ヘアメイク、プロカメラマンによる撮影データまで含めても、多くの人が驚く価格設定。
利益だけを考えれば、決して効率の良い仕事ではありません。

それでも続ける理由を聞くと

「実家が神主なんです。毎朝神棚と氏神様に手を合わせて、
『この身を通し神様の手足となって、周りの方も自分も喜びの涙を流せる仕事をさせていただけますこと感謝申し上げます。』 と毎日祝詞を奏上しながら手を合わせています。
利益だけのためなら、この価格ではやることはできませんが、私の心に響いた金額なので神様にもお客様にも喜んでいただこうと続けていこうと思っています。」

そう話す高野さんの言葉には、静かな覚悟を感じました。

そんな高野さんにとって、自分を整える時間とは、何かをたずねると
「毎朝のお参りです。」と教えていくださいました。


お水を替え、お米とお塩を供え、ろうそくに灯をともし、静かに手を合わせる。

見えない導きへ感謝を伝えるその時間が、忙しい毎日の中でも自分自身を本来の姿へ戻してくれる、大切な時間になっています。

「誰かのために」という想いが、ご縁をつないでいく

最後に、これから挑戦したいことを伺うと、
高野さんは、一番印象に残っている結婚式の話をしてくださいました。

ボランティアで結婚式をプレゼントしたあるご家族。

当初は
「婚姻届けの紙一枚で一人娘を嫁に出すなんて・・・」

あきらめて寂しい思いをしていらした新婦のお母様が、打掛姿の娘さんを見た瞬間、

「この姿が見られて本当によかった。」
と涙を流して喜ばれたそうです。

「その瞬間に、『ああ私、この仕事をやっていてよかった。』と心から思いました。
その母としての共感と、この喜びの涙のために私は仕事をしています。
ですから、これからもいろんな方に喜んでいただきたいのです。」

その言葉には、迷いは感じませんでした。

誰かを喜ばせたい。
その純粋な想いが、人を動かし、ご縁を呼び、新しい未来をつくっていく。

高野さんのお話を伺いながら、そのことを改めて教えていただいたように感じました。

編集後記

インタビューの最中、高野さんの目にはきれいな涙が浮かんでいました。
それは悲しみではなく、これまで出会ってきたご家族への感謝や、自分自身がここまで歩んでこられたことへの喜びがあふれた涙だったのだろうなと感じました。

「働く」とは、誰かの役に立つこと。
「整う」とは、自分の原点を思い出すこと。

高野さんのお話を伺いながら、そんなことを感じました。

人生の節目という、一度きりの大切な時間。

目の前の人や、そのご家族にとって何が一番の幸せなのかを真剣に考え、その想いを形にし続けている高野さん。
今回のインタビューを通して、「諦めないことの強さ」と「今この瞬間を大切に生きること」の尊さを、改めて教えていただきました。

高野さん、この度は心温まるお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございました。

PROFILE

しあわせ記念日
代表 高野 由紀子

Website:https://otafukumama.com/

富山県上市町にある古民家を改装し家族が主役の人前結婚式を挙げることができる会場。
着付室からしあわせの扉を開けると、15mのレッドカーペットが広がります。
”ありがとう”を心をこめてじっくりしあわせをかみしめてください。

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